やはりリアリティー

ジャック・ニコルソン扮するチャーリーが、自ら殺しなどを行う最前線の兵士なのに、マフィアの跡取りとなっていくあたりにオハナシ的な作為を感じます。そもそも凄腕の女殺し屋って、キャスリーン・ターナーだから成立しているけど、やはりリアリティーは薄い。ジョン・ヒューストンは、そのあたりを知った上で娯楽作品として楽しい映画に仕上げています。
ドンの孫娘(結婚する娘の姉)メイローズをアンジェリカ・ヒューストンが演じていて、ジャック・ニコルソン扮するチャーリーと幼なじみで結婚するものと思っていたという設定が、最後まで話にきちんと絡んできて、そのあたりを僕は面白く見ました。
別の女とちゃらちゃらしたチャーリーに腹を立て、男とメキシコへ行ったという“不名誉な行動”で父親から勘当同然にされます。チャーリーは幼なじみの友達としてしか対応しないけど、メイローズはずっとそれ以上を望んでいるというあたりのズレが面白い。